ボロ戸建て 決済手続き編 念願の家を買った でも、玄関を開けると
ボロ戸建て物語 決済手続き編 ボロ戸建てを手に入れる
どうもゴリラ不動産です。
前回は、諦めるために購入希望の買付を半額で提出したものが、まさかのOKとなり、瞬く間に不動産売買契約を行いました。
ほっ、本当に大丈夫かな?
契約を終えて、一抹の不安が襲いかかってきました。
今回は、大幅な値引きでの契約の為、通常の不動産取引よりもリスクもありますが、全て抱えるしかありません。公簿売買で測量は行わず、新築時の確認済証もなく、増改築時の確認済証もありません。
ただし、半年前まで入居者様がいたとのことで、インフラ関係は、通常使用できるようでした。
家族の思い出が詰まっているの
決済時に、現れた中年の夫婦は、前回契約した時よりも、スッキリした顔で「今回は、ありがとうございます。」とお礼を言った。
「とても古い家だけど、あそこで子供が生まれ育ち、みんな巣立っていったのよ。だから、とても思い出や物語が詰まっているの。」
売主様が、感慨深そうに話している。
登記簿を見ると、昭和44年11月新築とある。
あれ?昭和44年(1969年)スマホで「昭和44年」と検索する。
ずいぶん古いなぁ。でも、サザエさんはまだ放送しているし、何とかなるやろ。建物は、古いけど、色々な人々の物語を見てきたんだろうなぁ。と感慨深くなる。建物を買う時、相続するときには、建物を看取る覚悟が必要なのかもしれない。
そうでないと、建物が年老いて、孤独死してしまう。
僕は、「本日はありがとうございました。自宅にするか、貸家にするか検討中ですが、再生できるように頑張ります。」と声を掛けた。
そして、最後に玄関の鍵の引き渡しを行った。
受け取った鍵を見て、「幾度か中心となる人物が変わってきたけど、建物は、その物語をずっと見てきたんだなぁ。」と思いながら、ポケットに鍵を放り込む。
もらった鍵が、あまりにも、自転車の鍵のようだったので、本当にこれから大丈夫だろうかと憂える。満開に咲いた桜が、不気味に笑っていた。